2011年12月12日 (月)

再び「のりもの倶楽部」で・・・

 シクレをゲットしました。

 今日、帰宅時に何気なく寄ったところ、BIGBIRD5 下巻「連合国の鉄槌」が剥き身で売っていました。11月21日発売だったとのことで、全ての種類は揃っていませんでしたが、相変わらず、シクレがノーマル版と同じ値段で売られていたので、思わず、買ってきました。

 [Secret]PBY-5A CATALINA BLACKCAT(通常版)
 [Secret]MBR-2bis フィンランド空軍(鹵獲機ver.)

の2点です。MBR-2bisのシクレは、あと2機ぐらい残っていましたよ。

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2011年12月 1日 (木)

バレンツ海海戦

 久しぶりに戦記物を読みましたので、ご報告。

 この本は、青作戦さんから戴いたもので、何の予備知識も無しに読み始めました。私は戦車が本業、軍用機が副業で、ヨーロッパの海戦物には疎いのですが、それなりに楽しめました。

 バレンツ海とはノルウェー北方の海で、イギリスからソ連へのレンドリース船団の航路に当たります。この海戦もまさに輸送船団を護衛する英国艦隊とドイツ艦隊の戦いです。
 参加兵力は、英国が、軽巡2隻、駆逐艦6隻、その他で、ドイツが重巡1隻、装甲艦(重巡級?)1隻、駆逐艦6隻でほぼ互角です。太平洋戦争の海戦の基準から考えると小規模な海戦です。さらに、海戦の結果も、双方駆逐艦1隻づつ沈没と損害では大差ありませんが、輸送船団をまったく攻撃できなかったという点でドイツ側の戦略的敗北です。

 さらに興味深いのは、この海戦の結果にヒトラーが激怒し、レーダー提督を辞任に追い込み、また、ドイツ艦隊の大型艦を解体しろと言いだしたこと。(これは結局、後で撤回されますが・・・)元々、ヒトラーは海軍への理解が無かったようですが、この小さな海戦の結果がそれをさらに悪化させたようです。でも、そもそも、敗北の原因の一つは、ヒトラーが、「大型艦の損失は威信にかかわるので、慎重に行動するように」と指示していたこともあるようで・・・。

 このような上司には使えたくないし、自分も、そうならないように注意しなければ・・・(笑)。


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2011年11月27日 (日)

Call of Duty Modern Warfare 3 Defiance DS版

 昨日、用事があって、中野を通過した際、ちょっと時間があったので、中野ブロードウェイに行きました。Game Stationという国内/海外のゲームソフトを売っているお店を覗いたところ、発売されたばかりのCOD MW3が3,980円で売っていたので、即、購入してしまいました。

 本日、最初の方だけプレイしてみましたが、画面や動きは殆ど前作と変わらない気がします。

 今回は、Defiance=反抗というサブタイトルが付いており、設定としては、アメリカ(アラスカ)に侵略してきたロシア軍と戦う内容のようです。
 
 新しい要素として、スナイパーモードがあり、スタイラスを動かしながら、敵兵を狙うのですが、思うように動かず、なかなか狙いを付けられません。

 また、ぼちぼち遊んで、レポートします。


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2011年11月14日 (月)

久しぶりに「のりもの倶楽部」へ行ってみたら・・・

 酒保への書き込み、サボりにサボって、とうとう2ヶ月半も経ってしまいました。本当にお久しぶりです。

 あれから(どれからだ?)、色々あったのですが、最近は、TwitterやFacebookをやっていることが多く、つい書き込みが・・・。

 今日は、びっくりすることがあったので、早速報告します。

 久しぶりに市ヶ谷の「のりもの倶楽部」に行きました。前回、行った時は、AFV系は書籍以外は影も形もなくなっていたので、もう行ってもしょうがないかなと思って、ずっとご無沙汰しておりました。今日、会社の帰りにたまたま近くまで行ったので、ちょっと覗いてみるかというぐらいの気持ちで行ったのです。

 入口の手前右側の床に段ボール箱が置いてあり、半完成品の航空機キットが剥き身でたくさん入っている・・・。何気なく手に取ってみると、「ウイングキットコレクション Vol.8」とあります。「へぇー、こんなの出たんだ!」と思ってよく見ると、フォッケウルフ FW190D-9、P-51Bムスタング、零戦52型の3種。零戦はコレクション対象外なので、フォッケとムスタングを漁っていると、

垂直尾翼が黄色に塗られている奴がある?!

 箱の裏側のラインナップの写真にはこんな塗装のものはないんだけど・・・。 もしかして、これはシークレット?!
しかし、値段は他のものと変わりません。とりあえず、半信半疑で、フォッケのノーマル3種と、尾翼の黄色いフォッケとムスタングを籠に入れました。

 さらに店の奥に入ると、そこにも1/144航空機キットらしき箱が詰まった段ボール箱がある。それを漁っていると、「BIGBIRD 5 枢軸国の野望 上巻」なんてシリーズが! 「へぇー、こんなも出ていたんだ!」と思って箱の裏側を見ると、九七式飛行艇とサヴォイアとドイツのBv138C-1という飛行艇の3種らしい。 そして、その段ボール箱でまたまた、変なのを見つけてしまった!

サヴォイアの機体にバルケンクロイツが描かれている?!

 箱の裏側のラインナップにもそんなのは載っていない??? 値段は他と同じだけど、これもシクレ? と思って、ウイングキットと一緒に買ってきました。


 家に帰ってから、ググッて見たところ、ビックリ!

 まず、ウイングキット Vol.8は、正に今日が発売日だったのですね。そして、私がゲットした尾翼が黄色いのはいずれも正にシクレでした。

 フォッケウルフ Fw190D-9 第54戦闘航空団 第Ⅲ飛行隊
 P-51B ムスタング アメリカ陸軍航空隊 第5戦闘飛行隊

 それから、ビッグバード5ですが、こちらは10月に発売されていたのですね。最近、1/144航空機はフォローしていなかったので、全然、知りませんでした。そして、私がゲットしたのは、サヴォイアのシクレ、

ドイツ空軍(輸送機Ver.)

でした。

 それにしても、のりもの倶楽部って、奇特なお店です。開封してあるシクレをノーマルと同じ値段で売ってくれるなんて! そういえば、随分昔ですが、マイクロアーマーのエレファントが出た直後に、ノーマル+シクレの開封詰め合わせを殆ど定価で売っていたのを見つけて、買ったことがあったのを思い出しました。

 これからは、1/144航空機の新製品が出る度に「のりもの倶楽部」は必ずチェックしないと!


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2011年8月30日 (火)

万川集海(ばんせんしゅうかい)

 8月6日から9日まで夏休みの家族旅行をしてきましたが、行き先は、三重県伊賀上野、滋賀県甲賀、そして滋賀県の安土です。前2ヶ所は、忍者に興味を持っている娘のリクエスト、最後の安土は、歴女である妻のリクエストです。

 伊賀上野では、上野城内にある「伊賀流忍者博物館」、甲賀(じつは「こうか」と発音するのが正しいようです。)では、「甲賀の里忍術村」に行ってきました。両方の共通点は、からくり屋敷があること、忍者博物館があること、そして手裏剣投げができるところかな。伊賀では、これに加えて、忍者ショーを観ました。また、甲賀では忍術道場と称するフィールドアスレチックがありました。
 元々、娘の趣味だったのですが、「甲賀の里忍術村」の売店の片隅で埃と蜘蛛の巣に覆われていたこの本を見つけた時は、私が迷わず買ってしまいました。

Photo

 忍者博物館にも展示と説明があったのですが、「万川集海」とは、江戸時代に書かれた忍術兵法書です。詳しくは、

万川集海・現代語訳 復刊を希望する会
http://bansenshuukai.makibisi.net/mushi.html

をご覧ください。
 書名は、「万の川が海に集まる、すなわち全ての忍術の流儀を集大成したものを意味」しているのだそうです。

 私が入手したのは、「陽忍編」。要するに、姿を隠して敵陣に忍び込むのではなく、姿を現しつつ(変装などして)、情報収集、敵の撹乱等を行う方法です。

 今日、読み終わりましたので、とりあえず、感想等。

 まず、この本、「現代語」に口語訳されているのですが、それでもわかりにくい。何を言おうとしているのか、よくわからない個所がけっこうたくさんあります。口語訳が下手ということではなく、そもそも原文が分かりにくいようです。しかも、伏せ字があったり、漢字をわざと分解して分かりにくくしてあったり・・・。その有名なものが「くノ一」です。「女」という文字を3つに分解したものですね。それでは、「男」はどうなるのでしょうか? 答えは、「田力」です。
 従って、全てを理解できたわけではありませんが、それでもなかなか面白かったです。

 敵方に内通者を作る方法、
 しかもどういう人間が内通者になりやすいかという分析、
 敵の有能な武将が裏切っていると思いこませるための偽文書の作り方、
 敵の忍者が潜入してきたのを捕えた時にわざと偽情報を与えて逃がす方法、
 敵の合言葉を推測する方法、
 敵軍の夜討や伏兵を見抜く方法、
 さらには自軍のある一定規模の軍勢が占める陣地の広さ、敵軍の兵力の推測方法などなど。

 なんとまあ、現代の情報機関でもここまでやるか?と思うような内容もあります。これを読むと忍者は、単に変装して敵地に忍び込んで情報収集をするだけではなく、情報分析や兵站等も担う参謀のような存在だったのではと思います。戦国時代の戦乱の中で、武力に頼らずに、如何にして知恵で生き残るかという執念のようなものを感じました。
 期待以上に面白かったので、近いうちにもう一度、じっくり読んでみたいと思わせる内容です。

 なお、この口語訳は全体で8巻、刊行される予定だったようですが、実際に刊行されたのはこの陽忍編を含めて3巻だけだったようで、しかも、あとの2巻は絶版です。この陽忍編も、私は定価の980円で買ったのに、Amazonでは、中古で9,000円の値がついています。

 もし、ご購入を考える方がいらっしゃったら、上記リンクの下の方にも書いてあるように、私の買った「甲賀の里忍術村」に電話注文で購入できる(私が買った8月8日の時点でもまだ、20冊弱の在庫がありました)ですので、そちらをお薦めします。

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2011年8月28日 (日)

Battle Tank Kit Collection Vol.2

 少し前の話ですが、Battle Tank Kit Collection Vol.2が出ましたね。今回は、九七式中戦車、ヤークトティーガー、そしてJS-2です。
 某巨大掲示板を読んでいると、今回は評判が良いようで、特に九七式中戦車はガレキ以外での初めての製品化ということもあって、人気のようです。

 先日、アキハバラードを強行偵察した際、ヤークトティーガーとJS-2を1種類つづ入手したので、今日、製作してみました。

2C ヤークトティーガー 第512重戦車駆逐大隊
Jagdtigerfront


Jagdtigerrear

3B JS-2 ポーランド第4重戦車連隊
Js2front

Js2rear


 確かに今回は、出来がいいですね。Vol.1とは雲泥の差です。
 まず、足回り。覆帯と転輪が一体成型されていています。ただ、覆帯部分が半光沢になっているのがちょっと残念ですが・・・。
 また、各部品の噛み合せもぴったりです。正し、JS-2のライトと砲塔上部のアンテナは、差込用の穴をピンバイスで広げる必要がありましたが。
 塗装も前回のような厚塗りではなく、特にヤークトティーガーの3色迷彩はいい感じです。
 さらに、部品のパーティングも、ヤークトティーガーは戦闘室前後、JS-2は砲塔上下と、実際の車両の装甲板の分割部分にあわせてあるので、接合部が目立ちません。
 それに、ヤークトティーガーは、車体後部上方のエンジングリルの部分が全て抜けています。塗装が分厚くないせいもあるでしょうが、全体的にモールドがシャープです。

 唯一の難点は、JS-2の砲塔後部の手すりでしょうか? 合計11個の手すりが別部品になっており、しかも種類が3種類あるので、注意深く接着していかなければなりません。前回のT-34もそうでしたが、1/144では手すりそのものがオーバースケールにならざるを得ないので、ここまで細かい作業をしても、労多くして益すくなしという感じです。 あと、ヤークトティーガーの砲身がグラグラして、すぐに垂れ下ってしまうのもちょっと残念。

 このシリーズ、このクオリティで続けてくれるのであれば、大歓迎ですね。先程、見つけた海洋堂の宮崎社長のツイートで「年末よりWTMを再開するつもり・・・」とあったので、このBTKCと新生WTMで、また、ミリタリ食玩がにぎやかになるのを期待しています。

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2011年8月13日 (土)

ドイツ軍? 日本軍? のシガレットケース

 久しぶりにシガレットケースの新しいコレクションが増えましたので、紹介します。

 ヤフーオークションで「ナチスドイツ ジェラルミンシガレットケース 日本軍 煙草入れ」???という商品名で出品されていました。この商品名のせいか、出品カテゴリが「モデルガン」だったせいか、誰も競争相手がおらず、出品時の価格3,000円で落札しました。

 昨日、到着したのがこれです。

Case01_2
一見すると、ドイツ軍の鷲のマークがついたシガレットケースに見えますが、よく見ると

Case02
鷲のマークのすぐ下に、右から左にかけて「出征記念」と彫ってあります。

さらに裏にも文字が彫ってあります。
Case03

右側には、
Case04
昭和十八年八月十六日
應招出征記念
上海 南京

とあり、左側には
Case05
宮島 八郎

と、名前が書いてあります。

このシガレットケース、面白い構造になっており、以下のように開閉します。
Case06
上蓋を開けると、前後に開くのです。

さらに内側にも、
Case07
右上から左下にかけて、
昭和十八年九月一日
征途記念

と彫ってあります。

因みに反対側にはこのマークが
Case08
Duraluminとはジュラルミンのことなのでこのケースの材質を示し、上の「I.S」と両側の翼のようなマークが製造元会社を示しているのかもしれません。

 謎のシガレットケースですが、想像するに、宮島八郎氏が昭和十八年八月に召集されて出征する際に、彼の関係者が、ドイツ製のしかも材質がジュラルミンという当時としては貴重なシガレットケースを記念品として贈ったのではないでしょうか? 

 そういえば、2010年8月にヤフオクで落札したシガレットケースも鷲のマークの模様が似ているし、材質も似ている感じなので、あれもジュラルミン製だったのだろうか? ドイツの鷲マーク付きのジュラルミン製シガレットケースがいくつか、当時の日本国内にも出回っていたのかもしれませんね。

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2011年7月25日 (月)

映画「戦国自衛隊」

 お久しぶりです。前回の書き込みからほぼ1ヶ月過ぎてしまいました。風邪をひいてダウンしたり、暑さに負けて何もする気が無くなったりしているうちに、過ぎてしましました。

 さて、CATVで放映された「戦国自衛隊」の録画を観たので、感想等を少々。

 今回、観たのは、1979年製作の方で、千葉真一が主演で、薬師丸ひろ子がちらっと出てくる方です。(江口洋介と鈴木京香が出たのは、2005年製作の『戦国自衛隊1549』というのだそうです。)

 この映画が製作された時、半村良の原作であるSFタイムスリップ戦争ものが映画化されたということで、随分期待したのですが、観てがっかりした覚えがあります。原作どおりではないところが多いし、特に、川中島での武田信玄との合戦のシーン、迫力はあるのですが、自衛隊員のくせに、なんであんな戦術を無視した戦い方をするのかと、イライラしながら観ていた記憶があります。

 そもそも、長尾影虎軍と共同で戦えばいいのに、「俺は東に行く、京で会おう」なんて、カッコつけて・・・。影虎軍と連合して、決定的な局面で自衛隊を使えば、もっと楽に勝てたはず・・・。
 戦い方も、いくら近代兵器を持っているからと言って、多勢に無勢なのですから、接近戦は最後まで避けて、まずは見通しのいいところに陣取って、遠距離から、迫撃砲や戦車砲で砲撃しまくり、ヘリからも手榴弾を落として敵の兵力に相当の打撃を与えてから、一丸となって本陣に突撃すべきです。それなのに、迫撃砲を2、3発撃ってから、いきなり突撃して接近戦に入ってしまう・・・。これではいくら戦車やAPC(装甲兵員輸送車)があってもやられてしまうわけです。或いは、ヘリがあるのですから、最初から信玄の本陣を探して襲ってしまえばよかったのか・・・。

 今回、最初は同じ感想を抱いたのですが、観てゆくうちに、なんとなく納得してしまいました。確かに戦術的にはおかしいのですが、もし、自分が伊庭三尉の立場だったら、同じことをしてしまうのではと考えたのです。自分たちだけの力で、有名な武田信玄と戦ってみたい、そして戦い方も、近代兵器の利点を生かした戦術ではなく、戦国時代の武将のように最初から接近戦で戦ってみたいと思ってしまうのではないか・・・。
 それが映画の演出意図だったのかどうかわかりませんが、そう感じました。

 それから、自衛隊に気を取られているとつい見過ごしがちですが、時代劇の合戦シーンとして観た場合、相当な予算を使って手の込んだ迫力のあるものになっていますね。TVドラマの合戦シーンやへたな邦画の合戦シーンより、よほど迫力があります。また、千葉真一率いるジャパン・アクション・クラブのスタントも多数参加しているようで、アクションシーンもなかなかです。

 今回は、図らずも近代兵器の軍事的な視点から離れて鑑賞した結果、それなりに楽しめたという感じです。


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2011年6月27日 (月)

応化戦争記三部作 by 打海文三

 以前紹介した「栄光なき凱旋」の池上冬樹氏の解説に、「近未来の日本を舞台にした凄絶な内戦小説」として紹介されていたので、Amazonで購入して読んでみました。三部作なのですが、最後の「覇者と覇者」は単行本で、しかもAmazonで中古で54,000円という価格でしか売られていないので、まだ、読んでいません。従って、第1部「裸者と裸者」、第2部「愚者と愚者」を読み終えた時点でのレビューです。

 金融システムの崩壊、経済恐慌、財政破綻に加え、中華人民共和国の中央政権の崩壊、ロシアでの東シベリア共和国の誕生等の国際情勢の下で、自衛隊のクーデターに端を発して、日本が内戦状態になっているという設定です。
 主人公は、父親を殺され、母親が連れされらてしまった孤児(男)と、やはり母親が殺されてしまった双子の姉妹です。孤児は妹弟を育てるために学校へも行けずに働いていましたが、やがて拉致され少年兵とされてしまいます。そこから脱出したものの、今度は政府軍に徴兵され、孤児部隊の一員として戦っているうちに頭角を現し、やがて孤児部隊の指揮官となってゆきます。双子の姉妹は、男を騙しての強盗等を生業としているうちに、女の子だけのマフィアを結成し、その首領となってゆきます。
 話は、茨城県常陸市から始まりますが、そのうち、北関東一円での戦闘、さらには首都圏、東京西部での戦闘と広がってゆきます。旧政府軍、反乱軍の生き残り、外国人部隊、マフィア、半島系のギャング、狂信的なテロリスト等、軍閥が各地で群雄割拠しているような状態で、お互いに入り乱れ、戦いに次ぐ戦いが続きます。
 しかも、内乱状態の日本ですから、全ての社会規範が崩壊しており、殺人、幼児虐待、性的倒錯・強姦、ドラッグ売買が常態化し、また、ゲイやトランスジェンダーがグループを無しています。そんな中で、主人公の孤児と双子姉妹は、孤児を救うとか、女の子たちを守るというある程度の目的意識は持つものの、物資の横流しやドラッグの売買、売春や強盗等、そして殺人を平然と行い、生き抜いて行きます。

 最初の印象は、アフリカ等での内戦や少年兵について悲惨な状況が、日本を舞台にしていることでより身近に感じられたという点でした。しかし、読み進めてゆくうちに、この物語の真髄は、単なる戦争批判や、人間の欲望や悪行を暴くといった単純なものではないし、かといって冒険小説や暴力肯定の悪漢小説でもないことが、わかってきました。そもそも上述のように主人公は正義の味方でも高潔な理想を追い求める訳ではもありませんし、彼らの生きている世界は、平和で秩序ある我々の社会の倫理観・価値観とはまったく相容れない世界だからです。それに彼らはスーパーヒーロー、ニヒルな悪役でもありません。それでも、なぜか主人公の少年少女に共感を感じてしまうのは、作者が、どんなに環境や常識や価値観が異なっていても、ひたむきに生きる人間は魅力的であるということを描こうとし、それに成功しているということなのではないでしょうか? なお、作者の打海文三氏は、第三部の途中まで執筆したところで、亡くなられたとのこと。従って、この三部作は永遠に未完ですが、作品としての価値が損なわれるものではないと思います。

 なお、ミリタリオタクとして、多少、突っ込みを入れるとすれば、以下のとおりですが、この作品の魅力が失われてしまうようなものではありません。
①各部隊が装甲車が高機動車を備えているという設定ですが、それにしては部隊の移動が速すぎる。茨城県からあっというまに東京西部を攻略したり、東京西部から山梨、長野を抜けて一気に直江津まで攻め込んだりと・・・。まあ、この設定によりめぐるましく戦況が変わるので、それがまたストーリーの魅力の一つでもありますが・・・。
②部隊の補給がうまく行き過ぎる。主人公の孤児の属する部隊が、茨城から東京西部に進出し、そこで戦闘を繰り広げているのに、補給源は相変わらず茨城だったり・・・。
③空軍が殆ど登場しない(内戦初期に米軍が反乱軍を空爆した結果、混乱が拡大してしまったので、控えているという説明ではありますが)が、その割には、攻撃ヘリ(補給や整備ができるのだろうか)が重要な戦力だったり・・・。
④それから、これはミリタリとは直接関係ありませんが、この内乱状態の日本が多量のドラッグを産出し、それが各軍の資金源になっているという設定。内戦状態でも国内でドラッグが製造できる設備が稼働できるのか???

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2011年6月26日 (日)

映画「戦略大作戦」(Kelly's Heros)の邦題考察

 久しぶりに「戦略大作戦」(Kelly's Heros)を観ました。何回観ても、楽しめる戦争(?)映画です。色々とご異論はあるでしょうが、私的には戦争映画のオールタイムベスト5に入ると思っています。
 しかし、以前から思っていたのですが、この「戦略大作戦」ほど、邦題と内容が一致していないケースは無いのではないでしょうか? 

そもそも「戦略」にはまったく関係ない戦場の泥棒たちの話、彼らなりの「作戦」はあったにしても、「大作戦」と呼べるものではない。それなのにどうして、こんな邦題が??? 答は、日本での集客を狙った配給会社の名付け方の工夫にあったのではないでしょうか? 以下は私の推測です。

 まず、原題は、「Kelly's Heros」なので、直訳すれば「ケリーの英雄たち」。これじゃ、そもそも戦争映画かどうかもわかりません。やはり、どこかに「戦」の字が必要と考えたのでは。
 一方、「○○作戦」という邦題が付けられた映画が何本もあったので、それに習って付けたのだろうなと思いつつ、戦争映画のリストを見ていたところ、「戦略泥棒作戦」という映画が1962年に公開されていたことを見つけました。原題は、The Horizontal Lieutenantで、「第2次大戦末期の南太平洋の小島の米軍基地を部隊に、1人の日本兵を捕えあぐねて、珍作戦を展開する喜劇」だそうです。Kelly's Herosの邦題として、「作戦」という単語を使うのであれば、こちらの方が相対的に適していたのかもしれませんね。でも、既に使われているので、やむなく、「戦略大作戦」としたのかもしれませんね。
 因みに両映画共、「戦略」という言葉は、「戦術」と対比される「戦略」という意味合いより、「知恵を絞って奇想天外な方法を考える」的な意味合いで使われたのではと考えられます。

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